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2024年02月1日ブログ
「歌舞伎の日」は、出雲阿国(いずものおくに)という女性演者が、1607年の2月20日、徳川家康に招待されて江戸城で「かぶき踊り」を披露したことにちなんで制定された記念日です。
「かぶき」という言葉は、「傾く(かたむく)」の古語にあたる「傾く(かぶく)」から来ており、「常軌を逸した奇異な行動やファッション」を意味します。
そして、今でいう不良グループのことは「かぶき者」と呼ばれていました。いつの時代も、はみ出す人たちには独自のカリスマ性があるもの。「かぶき踊り」は「かぶき者」をモチーフにした踊りを出雲阿国が男装して演じたもので、一大ブームを巻き起こしました。
「かぶき踊り」は形を変えながら広まっていき、遊女によって演じられる「遊女歌舞伎」が流行ります。しかし、風紀を乱すとして1629年に幕府から禁じられてしまいます。
次に、成人前の少年が演じる「若衆歌舞伎」が登場しますが、これもやはり風紀的な問題から、幕府に禁止されます。
続いて始まったのが、成人男性だけで演じるというルールの「野郎歌舞伎」で、これが現在の歌舞伎の源流となります。
我が三重県では、伊勢神宮の参拝客を楽しませるために始まった「伊勢歌舞伎」が評判で、江戸・京都・大坂に次いで歌舞伎興行が盛んに行われていました。伊勢市の伊勢古市参宮街道資料館には、伊勢歌舞伎に関する資料が展示されています。
歌舞伎独特の白塗り、隈取の化粧など、徐々に洗練されて現代の歌舞伎に近づいていくにつれ、歌舞伎の地位も高まっていくのですが、贅沢を嫌う「天保の改革」(1841年~1843年)をきっかけに、力を失っていきます。
歌舞伎が復活したのは、明治時代に入ってからです。
庶民の楽しみであった歌舞伎を、世界に誇れる日本文化に、という動きが高まり、芝居と踊り、音楽が三位一体となった芸術作品として、国内外から愛されています。
また現在は、子役であれば男女問わず舞台へ出演できるようになりました。
歌舞伎は敷居が高い…と思われがちですが、一演目のみを手頃な価格で楽しめる「一幕見チケット」なども販売されています。全国各地に歌舞伎の公演会場がありますので、足を運んでみてはいかがでしょうか?
2月12日には、三重県文化会館にて人間国宝・坂東玉三郎さんの「~お話と素踊り~」のイベントが開催されますよ。